Traminer Ouille 2021

Traminer Ouille 2021

シャルドネ
生産者:Didier Grappe ディディエ・グラップジュラ地方/フランス)
品種:サヴァニャン(トラミナー) 100%

ジュラ地方の造り手ディディエ・グラップのサヴァニャン(トラミナー)。昨年の 2020 年に引き続いて 2021 年をリリースします。

このワイン、昨年にも説明しましたが、より自由なワイン造りをするためあえてアペラシオン(AOC)を取らないことにしたので「サヴァニャン」を名乗れなくなり、より一般的な「トラミナー」を名乗っています。

サヴァニャンは古くから存在する品種で、実は多くのブドウ品種の生みの親となってきました。
例えば、ソーヴィニヨン・ブランの親はサヴァニャンです。ソーヴィニヨン・ブランとカベルネ・フランの自然交配で生まれたブドウがカベルネ・ソーヴィニヨンですから、カベルネ・ソーヴィニヨンはサヴァニャンの孫ということになります。また、長い歴史の中で突然変異も起こり、なんとあのゲヴュルツトラーミナーはサヴァニャンの変異種なのです。

サヴァニャンは熟すのが他の品種よりも遅く、果皮が厚く、しっかりした酸と高い糖度があり、長期熟成に耐える品種です。
またこのワインに使われている「ウイエ」というジュラ独特の言葉ですが、樽やタンクで熟成時に蒸発によりワインの液面が下がり空気が入ることによる酸化を防ぐため同じワインの定期的な注ぎ足し(ウイヤージュ)をおこなったものという意味です。
通常はどのワインでもこれを行うのが普通なんですが、ジュラ地方には伝統的にサヴァニャン品種で意図的にこの注ぎ足しを行わずに液面に産膜酵母の膜を作って 6 年間ゆっくりワインを酸化熟成させる「ヴァン・ジョーヌ(黄色いワイン)」という作り方があるので、それと区別するためにわざわざ「ウイエ」とつけているのです。

さて、グラスに注ぐと淡い麦わら色をしたワインを鼻に近づけると熟した果実の香りがします。
口に含むと、ほどよいボリューム感ある果実味と適度な酸味のバランスよい味わいの奥に、硬質感やミネラル感がありボディのしっかりした印象をうけます。

合わせる料理のお薦めですが、魚介類全般やキノコ料理など、コンテやモン・ドールなどのジュラのチーズにはぴったりだと思います。
また、ジュラ地方特産の鶏を生クリームで煮込んだ料理、白カビやハードタイプのチーズ等合わせる料理の幅は広いと思います。