Coinstot Vino

コワンスト ヴィーノ

2区のパサージュ・デ・パノラマ内に店を構えるこのビストロは、2010年のオープン以来、パリの若い食通ワイン通の話題の的となってきました。当初から品揃え豊富なヴァン・ナチュールとともに、料理にもこだわりのある店として評判となりました。

パサージュ(Passage couvert)とは、ガラス屋根で覆われた、両側には商店が立ち並ぶ比較的狭いアーケード街で、18世紀末にパリで生まれヨーロッパ中に広まりました。19世紀には最先端の商業施設でしたが、デパート等の出現により次第に衰退して忘れ去られていき、最盛時100を数えたパサージュは、現在十数箇所を残すのみとなりました。
パサージュ・デ・パノラマはその中でも現存最古のものの一つで、エミール・ゾラの小説「ナナ」に登場するなど歴史的な場所だったのですが、最近まではキッチュな骨董屋やパッとしないレストランがあるだけの寂れたところでした。私自身はパリのパサージュを散策するのは以前から大好きで、ここのレトロで鄙びた雰囲気も好きでした。しかし、2007年にRacinesラシーヌというやはりヴァン・ナチュールを出すビオのビストロがオープンした頃から、ここの雰囲気がガラッと変わったように思います。その後、53番地にはその名もPassage53という日本人シェフのお店が出来て、現在2つ星をとっています。そして、食に敏感な人たちが来るようになったこのパサージュの一番奥まった角に、開放的でまた違った個性の店としてこの「コワンスト・ヴィーノ」は開店し、この歴史ある空間に新鮮な空気を送り込んでいます。この古き良きパリの名残を残すパサージュを再生させたのが新しい感覚のビストロやレストランだったというのは、いかにもパリらしいと思います。

さて、我々は、アンナ・ネトレブコの出るオペラの当日券売りに並んでふられた後、ディナーに予約なしでいきました。メインのフロワーは満席で、断られるかと思いきや、通りを隔てて向かいのホールにどうぞと通されました。何とこの向かいの元カフェだったと思われるところも買い取ったようで、ここにどんどん予約なしの客たちが回されてきましたが、1時間もするとここも一杯になりました。まさに今パリで飛ぶ鳥を落とす勢いを感じさせるビストロだと思いました。客層は先にご紹介したヴェール・ヴォレなどと共通で、カジュアルな雰囲気ながら個性光るワインと素材にこだわった料理をもとめて来る比較的若くてグルメな人たちが多く、ワイワイと熱気に満ちた空間を作っていました。

我々は季節なので生牡蠣を前菜にとって、薦められたスペイン国境近くのルシオン地方のVinocerosという作り手の白をのみました。牡蠣にぴったり合いました。メインに私はイベリコ豚のプルマというリブロースで最高級の部位のローストを注文しました。下に敷かれたジャガイモのピュレーも美味でした。パートナーはスズキのフィレでクリーム系のソースでした。いずれも、質の高い食材をシンプルに料理したもので、ヴァン・ナチュールと抜群の相性になるように計算されているのかなと思わせるものでした。メインのイベリコには、南仏でアントニー・トルテュルAntonyTortulが個性的なワイン造りをするドメーヌ、ラ・ソルガ La Sorgaの「アフリカ」というサンソー種主体のワインを合わせました。


26 Passage des Panoramas 75002 Paris

メトロ:8,9番 Grands Boulevards

Tel : 01 44 82 08 54

Monday:12:00-14:00
Tues-Friday:12:00-14:00, 18:00-00:00
Saturday :18:00-00:00

(営業時間はHPなどをご確認下さい)