ビオディナミ

Biodynamie

ビオディナミ農法は、有機農法のひとつです。英語ではバイオダイナミック農法(Biodynamics)といいます。
ヴァンナチュールの生産者の中にも、ビオディナミ農法を取り入れている人がたくさんいます。ビオディナミという有機農法は、どんなものなのでしょうか。それは、独自の理論、世界観を持つ、少し神秘的なメソッドです。

♢宇宙のリズムで農業する
畑を耕し、土(Earth)に触れることは、地球と繋がることです。真摯に畑と向き合っている農業者は、土の声を聞き、地球の呼吸を感じ、そこに寄り添います。そこにはエネルギーの行き交うパイプができあがります。
ビオディナミでは、その繋がりを、宇宙にまでのばします。太陽の運行に秩序立てられたこの世界で、月の運行、そしてほかのたくさんの天体の運行に基づいて、一年の農作業を進めていきます。そうやって、地球も含めた宇宙のリズムに同調します。その時、宇宙の天体も地球も、畑の作物、動物、草、微生物、石も、そしてもちろん人間も、すべてが繋がり、調和に満ちた、シンクロにあふれた世界がそこにあります。

♢宇宙のエネルギー
ビオディナミでは、化学肥料は使わず、「プレパラート」と呼ばれる調剤を作って、それで作物や畑に力を与えます。ハーブやクリスタル、牛の角、雨水、樹皮、牛の頭蓋骨...こういったものを使ってプレパラートは作られます。用途によって9種類あるプレパラートは、それぞれ、そのエネルギーが宇宙で高まる時に、メソッドに則って作られます。
たとえば、砕いた水晶を牛の角に詰めて、夏の新月の日に地中に埋め、6か月おいたり。そうやって宇宙のエネルギーをいっぱいに取り込んだプレパラートは、今度はそのエネルギーを水に転写させ、水の形で作物や畑に与えられます。


♢すべては繋がっている
ドイツ・バーデン地方で20年もビオディナミ農法を実践しているトーマス・ハルテネックさんのワイナリーを訪れた時のことです。前年のワインの試飲のために、ハルテネックさんを含めた5人が、テーブルを囲んでいました。彼は、満月の朝に収穫したブドウで造ったワインを飲みながら、すべてのものがお互いどんなに影響しあっているかを語っていました。今日この場所にこうしてこの5人が集まったのも偶然ではないよね、という言葉が印象的でした。