Aug.2020
Jura Wineries
ジュラのワイナリー

Aug.2020
フランス・ジュラ地方
Domaine Didier Grappe ディディエ・グラップ (サン・ロテン村)
Domaine Gilles Wicky ジル・ヴィッキー (サン・タニュス村)

 

久しぶりにジュラの生産者を訪問しました。

訪ねたのはディディエ・グラップとジル・ヴィッキーの2件です。それと、友人の鏡健二郎さんのDomaine des Miroirsにも寄りました。
今年は平年より2週間早く葡萄の収穫が始まりました。ちょうどその始まるタイミングに訪問が重なってしまったのですが、大変忙しい中、何処も私達を迎えてくれました。

最初に訪ねたのはディディエ・グラップのドメーヌ。ちょうど収穫の昼休み中でしたが、カーブで試飲をさせてくれました。
まず試飲したのは、2018年のシャルドネのロングファンです。18年は暑く、豊作の年でしたが、酵母が活発すぎてなかなか発酵が終わらなかったということです。香りは豊潤で、口に含むとミネラル感がすごく、酸もきれいで、バランスの取れた味わいです。
次にシャルドネのノヴランの2019年。やはりミネラル感は素晴らしく、味わいは18年よりソリッドに引き締まった感じです。
そしてサヴァニャンの2019年。サヴァニャンらしい酸の切れ味がよく、果実味も豊富な仕上がりです。

その後は収穫に向かうディディエに案内されて、丘の上のシャルドネとプールサールの小さな区画の畑を見せてもらいました。ここの土壌は褐色の泥灰土に白い小さな石灰石が混じっています。葡萄は完熟状態で、口に含むと甘さと酸味のバランスがとてもいい状態でした。
ディディエは、気候的にはすごくいいのだが雨がここ一か月以上降っていなくて水が欲しいと言っていました。週末に雨が期待できるので、それまで収穫はゆっくりしたペースで行いながら、雨を待っているとのことでした。

ディディエ・グラップ


 

ディディエの所を後に、南に車を30分ほど走らせて、ジル・ヴィッキーのドメーヌのあるサン・タニュス村に着きました。
着くと早速、試飲を始めました。ここでは2018年の2種類のシャルドネを試しました。
1つ目が、コート・デュ・ジュラのアペラシオンを持つもの。少し濁った黄色、焼きリンゴの香りに鉱物系のミネラル香があり、口に含むと濃厚なミネラル風味と優しい果実味と深みのある酸味の、バランスの取れた味わいです。さらにアフターにも柑橘系の味わいが残りました。
2つ目のキュベは、1つ目のと同じ畑のシャルドネをマセレーションした、オレンジワインです。色はオレンジがかった黄色。オレンジの皮やカモミールの香り。口に含むとグレープフルーツに軽いタンニンを感じる濃厚な味わいです。アフターには酸とタンニンが残ります。
2本とも、レベルの高い濃厚なジュラワインの特徴を体現する、秀逸なものでした。

試飲後、村の中と、7キロ離れたボーフォール村と、二つの場所の畑に案内してもらいました。
まず、村の東部の、比較的平坦なところにある畑。シャルドネ、サヴァニャン、赤用のトルソー、プールサールが植えられていました。いずれの品種も完熟状態で、もう収穫できますが、ジルもやはり雨を待っていました。
ここの土壌はやはり泥灰土に石灰の小石が混ざりますが、地下に石灰岩の岩盤があるそうです。ジュラ地方の土壌の特徴は、ジュラ紀の石灰岩層が地表近くや山の上にあることです。長い時間の地殻変動でそのような土壌が生まれたと言われています。
次に見せてもらったのはボーフォール村のクロ・ド・ジェルミニーという区画で、ジュラ山脈の一番下部の斜面に位置しているところです。
土壌はやはり泥灰土小石交じりですが、特徴的なのは小石に貝殻の化石がところどころみられることです。ここにはシャルドネとプールサールが植えられており、より一層ミネラル豊富なワインができます。

クロ・ド・ジェルミニー


最後に、友人の鏡健二郎さん真由美さん夫婦をグリュッス村に訪ね、素晴らしい斜面の畑を見て回りました。

今回の訪問で印象深かったのは、ジュラワインの濃厚な深みがジュラの独特の風土を反映したものであるという実感です。
山、谷、葡萄畑に、牛がのんびり餌を食んでいる牧草地という、素晴らしい風景を堪能した2日間でした。