Apr.2018
Salon:Perpignan
サロン:ペルピニャン

Apr.2018
自然派ワインサロン (フランス・ペルピニャン)
Indigenes アンディジェンヌ

カタルーニャと言えば、バルセロナを中心としたスペインの自治州を思い浮かべる人が多いと思います。しかしその昔は、現在のスペインとフランスにまたがるカタルーニャ公国という一つの国でした。現在のフランス西南部のルシヨン地方は、そのカタルーニャ公国の一部でした。
この地域では今でもカタルーニャ語を話す人がたくさんいて、ピレネー山脈の向こう側のスペイン領カタルーニャ自治州との文化的繋がりは深いものがあります。歴史的にはフランスとスペインという近代国家の成立時の争いに巻き込まれて、ピレネーを挟んだ二つの国に分断されてしまいましたが、人々の文化的連帯感は、地下水脈のようにつながってきました。現在は、EU及びシェンゲン協定により西仏国境はコントロールなく自由に行き来できるようになり、両地方の繋がりは益々強くなっています。

フランス側のカタルーニャの中心都市であるペルピニャンPerpignanで「Indigenesアンディジェンヌ(土着)」という名で去年から始まった自然派ワインのサロン(見本市)に参加してきました。そして、この両地方の文化的連帯感というものを、自然派ワインを通じ、身を持って体験しました。

「テロワールを活かしたワイン」を造る造り手は、まずフランス側ルシヨン地方やその東のラングドック地方(Occitanieオキシタニ)で増え始めました。そこは今や、フランスの自然派ワインの一大中心地となっています。そしてその影響で、ブドウ品種でも共通性が見られるスペイン側のカタルーニャ地方でも、ここ数年で自然派の若手生産者がどんどん出てきて、ワインの品質も飛躍的に向上しています。


サロンには、スペイン側とフランス側のトップクラスの醸造家が結集しました。
まず気がついたのは、生産者の地域名称が従来のワイン界の常識を打ち破るようなものであることです。3地域に分類された地名は、それぞれ、北カタルーニャ Catalogne (カタルーニャ語Catalunya) Nord、南カタルーニャ Catalogne Sud、オキシタニ Occitanie というものです。北カタルーニャとはルシヨン、南カタルーニャとはスペイン側カタルーニャ。Occitanieとは古いオック語で「オック語を話す地域」という意味ですが、ワイン地域としてはラングドックと読み替えられます。この名称に、主催者側の強いメッセージが読み取れます。すなわち「土着」の地域名を使うことによって、各地域の「土着」のテロワール(土壌、気候etc.)を大切にしていることを、そして、何といっても国境を越えた「カタルーニャ」の連帯感を、ワインを通して発信するというメッセージを強く感じました。

さて、このサロンには、88の生産者が出ていましたが、2日間で試飲ができたのは60余りで、到底全部の生産者は回り切れませんでした。この地方独特の情熱的で人懐っこい人物が多く、ピュアで体にスーと入るようなワインを、たくさん発見することが出来ました。
また、今回初めて「南カタルーニャ」の生産者のワインをかなりまとめて試飲することが出来たのですが、ワイン造りを始めて間がないところが多いにも拘らず、品質的にはかなりのレベルに達しているものが多いなと感じました。

サロン初日終了後の食事会にて(写真下)。右が北カタルーニャのヴァン・ナチュールのパイオニアのジャン・フランソワ・ニック、中央が南カタルーニャで注目の新人オリオール・アルティガス、左の横顔は北カタルーニャのバニュルスで秀逸なワインをつくるYoYoさん。