Aug.2015
Alsace Wineries
アルザスのワイナリー

Aug.2015
フランス・アルザス地方
Domaine Ginglinger, Schueller ガングランジェ、シュレール

猛暑も落ち着いてきましたので、2014年のワインの試飲と仕入れのため、アルザスの造り手、ジャン・フランソワ・ガングランジェとブルーノ・シュレールを訪問しました。
この2人はいとこ同士ですが、面白いことに、造るワインは全く違う性格のものです。

まずはドメーヌ・ガングランジェを訪ねました。
朝一番に着きましたが、もう家族総出で日本向けのワインの瓶詰作業に追われていました。ジャン・フランソワとは旧知の仲ですが、FRAkonnexとしては今回が初の取引となります。彼は気さくで明るい性格で、ワイン造りには情熱的に取り組んでいます。彼のワインは、パワフルでミネラル豊富な味わいが特徴です。
ジャン・フランソワは、1999年に父の畑を継いでワイナリーを起ち上げました。父の仕事を手伝っていた1996年から、畑を完全にビオ農法に変え、エコセールの認証を取得し、さらにビオディナミを実践に取り入れ、2001年にデメテル認証を取得しました。
2014年のワインを試飲してみた感想ですが、全体的にボリューム感があり、ミネラルや酸のバランスもよく、いい仕上がりのものが多いという印象です。彼のワインは最近人気が高まり、もうすでにわずかになった在庫から、シルヴァーナー、ピノ・ブラン、ピノ・グリ等を仕入れました。8月の試飲会で一部をご紹介させていただきます。

さて、午後にはブルーノ・シュレールを訪ねるため、数キロ北のユスラン・レ・シャトー村に向かいました。
途中、彼の畑の中でも最高のものとされる、フェルジクベルクのリースリングの畑に寄ってみました。果実はまだ小さく固くて、口に含むと酸っぱいのですが、徐々に糖分が載ってきている感じで順調な生育をしていると感じました。ブルーノに聞くと、もう少し雨が欲しいところだそうです。

ブルーノのカーブで、瓶詰間近の2014年のワインを樽から試飲しました。ピノ・ブラン、リースリング、ゲヴュルツトラーミナー等、例年より濃厚な果実味とミネラル豊富な味わいで、期待が膨らむものでした。また、14年のゲヴュㇽツトラーミナー種でマセラシオンをした、いわゆるオレンジワインを仕込んだのを試飲しましたが、これが抜群に濃厚な果実味をたたえた逸品に仕上がっていました。シュレールの新しいワインは、これから瓶詰めが始まるところで、9月に入荷予定です。私自身も入荷が待ち遠しいです。

実は昨年は、秋の収穫期に、フランス中で学術名「スズキ」というショウジョウバエが猛威を振るい、アルザスも例外ではありませんでした。彼らは群れを成して完熟したブドウの果皮を破って産卵し、幼虫が果実を食い荒らし、穴の開いた果実は酸敗していきました。被害は甚大で、各生産者は酸敗したブドウを取り除くために、粒ごとの選果を厳しくしければならず、2014年のワインは選果を厳密に行ったかどうかがワインの質を左右する決め手になりました。しかしながら、ガングランジェやシュレールのように、元々手摘みで収穫をし、丁寧に選果を行う生産者にとっては、人手と時間は例年よりかかりましたが、収穫期の気候が温暖で良好でしたので、収穫量は減ってしまいましたが質的には平年以上のものになりました。今回、2人の2014年のワインをじっくり試飲してみて、それを確信しました。

上の写真はシュレールのフェルジクベルクのリースリングの畑ですが、木の枝の先端が切られていないので、不揃いに伸び放題になっています。アルザスの自然派の生産者の畑は、みんなこのようにしてあります。普通の生産者の畑では、この時期先端を落とすところが多いのです。ブドウの樹が枝の伸長にエネルギーを費やすのを避け、結実にエネルギーを注がせるためにそうしていると言われていますが、自然派の生産者たちの考え方は全く逆で、先端を落とすことによって、ブドウは横芽を出したり、横への成長をしてしまい、結局エネルギーが実にいかなくなってしまうと考えます。そして、このterminal budと呼ばれる先端の芽を落とさず、自然に落ちるのを待ちます。