Riesling CP 2012
Bruno Schueller

Riesling Cuvée Particulière 2012  リースリング・キュベ・パルティキュリエール
生産者:ブルーノ・シュレール Bruno Schueller
品種:リースリング 100%

2012年のリースリングのジェネリック(普通)のキュベです。

キュベ・パルティキュリエールとは特別なキュベという意味です。何故特別かといえば、通常はこのようなジェネリック等級のワインには、特別な単一畑の葡萄は使わず、一番下の格付けの畑の葡萄のみを使うのですが、シュレールのこのキュベは、並みいる上級、特級の畑の葡萄も一部使っているので特別なのです。ただし、どの畑のものをどれだけ使っているかは年によって違い、発表はしていません。

この2012年のリースリングは、リリースしたては酸が突出し、バランスが悪く、一度だけ試飲会に出しましたが、その後は倉庫で寝かせていました。今年になって開けてみると、まず開けたての瓶から柑橘系の果実の香りが漂ってきていて、それは心地よい感じになっていて、ようやく開いてきたと感じました。

色は淡い黄金色で少し濁りがあります。グラスに注ぎ鼻を近づけると、果実香に混じって、うまく熟成したリースリングに特有といわれる石油やガソリンのようなペトロール香と呼ばれるアロマをはっきり感じます。
口に含むと、ネクターのような果実味を感じますが、すぐにミネラルのしっかりした味わいが出て、酸とのバランスを保って絶妙な味わいです。

魚介類の料理に合うのは当然ですが、豚肉、ベーコンなどの食材とも相性が良いので、アルザス地方では、郷土料理のシュークルートに合わせてよく飲まれます。シュークルートとは、ドイツでいうザウワークラウト(塩漬けのキャベツ)のことです。料理としては、ザウワークラウトにハム、豚バラ肉、ソーセージ、ベーコン、ジャガイモ、ニンジン等を加えて白ワインで煮込んだものです。

シュークルート

さて、リースリング種について少し書いておきましょう。
リースリングは、ドイツのラインガウ地方が原産と言われ、現在でも、ドイツの白ワイン用の品種では最大の生産量を誇っています。ドイツのような冷涼な気候の土地での栽培が適している品種です。涼しい中にも寒暖差のある気候が、いいリースリングを栽培する条件です。また、発芽から成熟期間を経て収穫期までが長く、収穫時期が、他の白ワインの品種と比較して1ヶ月ほど遅いという、晩熟系の品種です。通常9月中旬から下旬に収穫が始まります。
そして、ドイツの南西隣に位置する、歴史的にドイツ文化の影響が色濃いフランスのアルザス地方でも、主要品種となっています。ドイツでは比較的甘口に仕立てられることが多いですが、アルザスでは辛口の味わいが好まれます。
その他、現在ではオーストラリアや北米等、世界中で栽培されています。リースリングの味わいは、甘口から辛口まで産地により幅が広いですが、そのベースには強めの酸があるのが特徴だと思います。

土地に生息する自生酵母のみで発酵させ、補糖や添加物を加えず造る、シュレールのリースリングは、最も典型的に土地の個性を表現したものと言えます。しかし、時々、I.N.A.O.(国立原産地名称研究所)から、「アルザス・ワイン的でない」という理由で、アルザスのA.O.C. 「原産地統制呼称」を名乗ることを許されないことがあるのです。皮肉なことですが、A.O.C.の問題点が浮き彫りになる出来事です。
ブルーノはそんな時、持ち前のウィットを利かせて、桃の実を青虫が食い散らかしている漫画をラベルにして、「INAOの組織は腐っている」と言わんばかりに無認証のワインを平然と出します。そのリースリングは今では大人気となっています。