Mano a Mano 2014
Domaine Matin Calme

Mano a Mano 2014 マノ・ア・マノ
生産者:Domaine Matin Calme ドメーヌ・マタン・カルム (ルシヨン地方)
品種構成:グルナッシュ70%,カリニャン30%


今月も南仏ルシヨン地方の赤ワインをご紹介します。

「マノ・ア・マノ」とはスペイン語で「手から手」という意味で、文字通り栽培から収穫まですべて手作業で行っています。以前に2011年のものをお出しして大変好評をいただきました。今回は、蔵元で少し熟成させていたものを分けてもらいました。

少し茶色がかった赤。果実味はありながらも動物的でスパイシーな香り。口に含むと濃厚な黒スグリ等の果実味としっかりしたタンニンを感じ熟成感が充溢しています。しかし、4日目くらいにはしっかりとしたタンニンは残しつつも、プラムや仄かに感じる花の香りも出てきて、また違う印象になります。そんな変化も是非楽しんでみてください。

400mの高台に位置している畑から、年間約2000本という少量生産です。
除梗せず房ごとタンクに入れて、自らの重量で下の葡萄が潰れ、発酵が始まります。すると出てくる炭酸ガスを、タンクに充満させ、発酵をさらに進めるという、「セミ・マセラシオンカルボニック」といった、全く自然な醸造法で造ります。

煮込んだお肉の料理にはぴったりの相性だと思います。

マタン・カルムを営むアントニー・ギィは、2006年にワイン造りを始めました。
ペルピニャン近郊のミラMillasという村に醸造所兼住居を構えていますが、畑はさらに奥地のベレスタにあり、車で行くには舗装もされていない道を登って行くことになります。

畑の場所は海抜300~500メートルの山の頂上近くで、ある畑は横に長く広がり、またある畑は傾斜の急な斜面に広がっています。他から孤立している畑で、他の畑からの影響をうけないためビオ栽培も行いやすい環境にあります。機械耕作は場所の状況からしても不可能で、全て鶴嘴で雑草を除去し耕しています。もちろん、機械耕作が可能な場所であっても全て手作業で行うでしょうが。急斜面での収穫作業は過酷です。

収穫も全て手作業です。収穫するケースも10KG入りのものと決めており、収穫の際に上の重みによって下の葡萄が潰れないよう配慮しています。グルナッシュの樹齢は30年前後で、カリニャンは80年を超えるものもあります。収量は20hl/haと本当に凝縮度の高い栽培を行っています。こうして造られる彼のワインは、葡萄そのものの持つキャラクターを素直に表現した、自由で野趣に富み、独特の個性を主張するものになります。彼のシャイな性格もあって、その質の割になかなか脚光を浴びてこなかったのですが、言葉の真の意味でアルティザン(職人)のワインといえます。